APBCについて


バイオ炭って何でしょう?
日本が80年代から積み上げてきた炭の土壌改良効果が今、Biocharという名前で世界中から注目されています。

炭を土に混ぜると保水性、透水性、保肥性、保温性が向上したり、土壌微生物相が豊かになるために作物の収量が高まることは、88年に土壌改良資材に政令指定されたことからも伺えるように日本では常識でしたが、それがこの5年で世界の常識になりつつあるのです。

その背景には近年の地球温暖化と食料危機が大きく関わっています。地球温暖化の主要因として挙げられる二酸化炭素を、樹木や農作物などのバイオマスを介して固定し、さらにそれを炭化して土壌にすきこむことで空気中の二酸化炭素を減らしながら食料増産が図れるのではないかとの期待が高まっています。もちろん、そのためには炭化過程から輸送までを含めた二酸化炭素排出量を使ったライフサイクル評価(LCA- CO2)や、土中の炭がいつまでガス化しないで土中にとどまっていられるか(炭の安定性)また素材や炭化方法、炭化温度ごとの炭の変化による安定性の違い、土壌と各種炭の相性など解決すべき課題はたくさんあります。

しかし、もし農林産物残渣の炭がLCA的にも有意で、将来的に炭素クレジットの可能性まで見通せるのなら、国内的には現在、ただ焼却処分されている農林産物残渣や、手入れがされず放置されたままの竹林が温暖化対策の文脈で見直され、積極的に利用されるようになる可能性は大きなものがあります。

現在、UNFCCC及びUNCCDはBiocharを温暖化対策の一手段として認めることに肯定的です。欧米でもこの数年、Biocharに関する補助金や研究が急激に増加してきました。30年来の経験を持つ日本からするといささか行き過ぎの感もありますが、その感触も含めてBiocharに関する私たちの経験と研究について世界に発信する時が来ています。 地域のバイオマスを有効に利用しながら、温暖化や、地域内物質循環、地域内・地域間の人間の交流、環境保全型農業などを推進していく軸としてBiocharを捉えることもできるのです。

Biocharの本当の可能性はどうなのか、研究の最先端はどうなっているのか、それらを取り巻く各国の雰囲気など、本大会の3日間でしっかりつかみとっていただくことを願っています。



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